『会社員のまま、副業で少し収入を増やしたい』——そう思って調べ始めたものの、税金はどうなる?会社に知られない?そもそも時間は取れる?と不安ばかりが増えて、結局一歩も動けていない。そんな人は多いはずです。副業でつまずく原因の多くは、やる気や才能ではなく、始める前に確認しておくべきことを飛ばしてしまうこと。逆に言えば、先に押さえるべきは3つだけです。①勤め先の就業規則②確定申告のルール③本業に無理が出ない時間の設計。この3点を整理すれば、余計な不安は消え、安心して小さく始められます。この記事では、厚生労働省と国税庁の公式情報をもとに、専門用語をかみ砕いて順に見ていきます。
まず結論
副業を始める前に確認したいのは3つです。①勤め先の就業規則で副業が認められているか(届出制か・禁止事項はあるか)②税金——給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になるのが基本(2026年時点)③本業に支障が出ない時間の設計。この順に整理すれば、不安なく小さく始められます。まずは就業規則の副業条項を確認しましょう。
副業を始めたいけど、まず何から手をつければいい?
副業でつまずく原因の多くは、始める前の『3つの確認』を飛ばすことです。①勤め先の就業規則で副業が認められているか②税金(確定申告)のルール③本業に無理が出ない時間の設計。この3点を先に押さえれば、後から慌てずにすみます。特に就業規則は、そもそも副業できるかを決める土台なので、いちばん最初に確認するのが安心です。
副業に興味はあっても動けない理由の多くは、『何が起きるか分からない』という漠然とした不安です。会社に知られたら気まずいのでは、税金の手続きが難しそう、本業が疎かになったら困る——こうした心配が重なって、最初の一歩が遠のいてしまいます。
ですが、実際に確認すべきことは、そう多くありません。整理すると『会社のルール(就業規則)』『お金のルール(確定申告)』『自分の時間』の3つに集約できます。この3点さえ先に押さえておけば、あとは小さく試しながら育てていけます。
順番も大切です。まず就業規則で副業ができるかを確かめ、次に税金の仕組みを知り、最後に無理のない時間を決める。この記事では、厚生労働省と国税庁の公式情報をもとに、ひとつずつ見ていきます。
図解
副業を始める前の、3つの確認
やる気より先に、この3点を押さえると慌てない
- 01① 就業規則勤め先が副業を認めているか。届出制か許可制か、禁止事項があるかを確認
- 02② 確定申告給与以外の所得が年20万円を超えると申告が必要(2026年時点)。所得=収入−経費
- 03③ 時間の設計本業に支障が出ない『週に使える上限時間』を先に決めておく
①就業規則 — 勤め先は副業を認めてる? どこを見ればいい?
まず確認するのは、勤め先の就業規則です。国は2018年以降、副業を原則認める方向でルール整備を進め、国が示す『モデル就業規則』も副業を容認する内容へ改められました。ただし実際に認めるかは会社ごと。多くは『届出制』か『許可制』で、競合他社での勤務など禁止事項を定めている場合もあります。まず自社の規則で可否と手続きを確認しましょう。
副業ができるかどうかは、法律より先に、まず勤め先の就業規則で決まります。厚生労働省は2018年に『副業・兼業の促進に関するガイドライン』を策定し、その後の改定を経て、企業に対し原則として副業・兼業を認める方向で就業規則を見直すよう促してきました。国が示す『モデル就業規則』も、副業を容認する記載へと改められています。
とはいえ、実際に認めるかは会社ごとに違います。多くの企業は『事前に届け出れば可(届出制)』または『会社の許可が必要(許可制)』という形をとっています。また、本業に支障が出る場合や、競合他社で働く場合、会社の秘密が漏れる恐れがある場合などは、副業を制限・禁止できるとされています。
確認の仕方は簡単です。社内ポータルや就業規則集を開き、『副業』『兼業』という言葉を探してください。可否と、必要な手続き(届出の要否・提出先)が書かれています。見当たらなければ、人事や総務に『副業の規定はありますか』とたずねるのが確実です。
②確定申告 — いくら稼いだら手続きが必要になるの?
会社員は、給与・退職金以外の所得が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になるのが基本です(2026年時点)。大事なのは、20万円は『収入』ではなく『所得』=収入から必要経費を引いた残りだという点。売上25万円でも経費が6万円なら所得は19万円で、この基準では申告不要になります。まず自分の見込みで試算してみましょう。
会社員(給与を1か所から受け、年末調整を受けている人)の場合、国税庁は、給与所得・退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超えるときに所得税の確定申告が必要になる、としています。逆に言えば、副業の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要ということです。
つまずきやすいのが、この『20万円』が何を指すかです。基準になるのは『収入(売上)』ではなく『所得』——つまり収入から必要経費を差し引いた金額です。たとえば副業の売上が25万円でも、材料費や通信費などの経費が6万円かかっていれば、所得は19万円。この場合は基準を超えません。日ごろから収入と経費を記録しておくと、この判断がぐっと楽になります。
なお、副業で得た収入は、営利を目的とした継続的なものであれば、税金の分類では『業務に係る雑所得』にあたるのが一般的です(帳簿を備えて事業として営む場合は事業所得になることもあります)。また、所得税の『20万円ルール』とは別に、住民税は申告が必要になる場合があります。こちらはお住まいの市区町村で確認しておくと安心です。
図解
『20万円』は収入ではなく所得
つまずきやすいのは、基準になる金額の読み違い
③時間 — 本業に支障を出さない時間の作り方は?
3つ目は時間の設計です。会社に雇われる形(アルバイト等)で副業をする場合、本業と副業の労働時間は合算して管理されるのが原則で、働きすぎは健康を損ねる原因になります。だからこそ『空いた時間になんとなく』ではなく、週に使える上限時間を先に決めるのが安全。まずは本業に支障が出ない範囲を、数字で区切っておきましょう。
見落とされがちなのが、時間と体力の設計です。厚生労働省のガイドラインでは、会社に雇われる形(パート・アルバイトなど)で副業をする場合、本業と副業の労働時間を通算して管理するのが原則とされています。両方を足した時間が長くなりすぎると、健康を損なったり、本業の質が落ちたりするおそれがあるためです。
業務委託やフリーランス的な副業ではこの通算の対象外ですが、体力に限りがあるのは同じです。『空いた時間があればやる』という進め方だと、気づけば睡眠や休息を削っていた、ということになりがちです。
おすすめは、始める前に『週に使える時間の上限』を決めておくことです。たとえば『平日は1日1時間まで、休日は午前だけ』のように、先に枠を区切る。無理のない範囲を数字で決めておけば、本業とのバランスを崩さずに続けられます。
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実際、どんな順番で始めればいい?
始め方はシンプルです。①就業規則で副業の可否と手続きを確認する②必要なら会社に届け出る③確定申告に備えて収入と経費を記録する習慣をつくる④週に使える時間の上限を決める⑤小さく始めて様子を見る。いきなり大きく広げず、この順で土台を整えてから一歩を踏み出すのが、長続きのコツです。
まず①就業規則の確認と、②必要な場合の届け出。ここを飛ばすと、あとで『規定違反だった』というトラブルになりかねません。可否と手続きを先に押さえるのが、いちばん最初にやることです。
次に③お金の準備。専用のノートや家計簿アプリ、口座を一つ決めて、副業の収入と経費をその都度メモする習慣をつけます。これがあると、確定申告が必要かどうかの判断も、実際の申告作業もぐっと楽になります。④時間の枠決めは前章のとおり、週に使える上限を先に決めておきます。
そして⑤小さく始める。最初から完璧を目指さず、月に数千円でも『自分で稼ぐ』を経験してみるのが大切です。土台(規則・お金・時間)が整っていれば、あとは試しながら調整できます。走り出してから慌てないよう、順番に整えていきましょう。
図解
副業を始めるまでの、3つの流れ
いきなり広げず、土台を整えてから一歩を踏み出す
- 01① 土台を確認就業規則で可否と手続きを確認し、必要なら会社に届け出る
- 02② 記録と時間を整える収入・経費をその都度メモする習慣をつくり、週に使える上限時間を決める
- 03③ 小さく始める月に数千円でも『自分で稼ぐ』を経験し、試しながら調整していく
3つを押さえると、どんな変化がある?
3つを先に押さえておくと、副業の景色が変わります。就業規則を確認済みなら『会社に知られたら』という不安から解放され、記録の習慣があれば確定申告の時期も慌てません。時間の上限を決めてあれば、本業が疎かになる心配も減ります。土台が整っているほど、副業そのものに集中でき、小さな成功体験を積み重ねやすくなります。
3つの確認を飛ばして始めると、稼ぎ始めてから不安が追いかけてきます。『これは就業規則的に大丈夫だったのか』『確定申告、どうすればいいんだろう』『最近、本業がおろそかかも』——こうした心配が、せっかくの副業から気持ちを引き離してしまいます。
逆に、先に土台を整えておけば、これらの不安の多くは事前に消えています。規則を確認済みなら気兼ねなく取り組めますし、収入と経費を記録していれば申告の時期も落ち着いて対応できます。時間の上限を決めてあれば、本業とのバランスも保てます。
土台があると、エネルギーを『副業を良くすること』そのものに向けられます。すると小さな成功体験を積みやすくなり、続けるほど手ごたえも増えていく。準備は面倒に見えて、実は最短ルートなのです。
図解
先に押さえると、副業の景色が変わる
土台があるほど、副業そのものに集中できる
まず今日、何から始めればいい?
今日の一歩は、勤め先の就業規則を開き、『副業』『兼業』の項目を検索することです。多くの会社は社内ポータルや就業規則集で確認できます。可否と手続き(届出の要否など)がわかれば、次に進む道がはっきりします。規則が手元になければ、人事や総務に『副業の規定はありますか』と一言たずねるだけでも、十分な第一歩になります。
始め方は、とことん具体的にするのがコツです。いますぐ社内ポータルや就業規則集を開き、検索窓に『副業』『兼業』と入れてみてください。数分あれば、自社が副業を認めているか、認めているなら届け出が必要かどうかが分かります。ここが分かるだけで、次の一歩の見通しが立ちます。
就業規則が手元で見当たらないこともあります。その場合は、人事や総務に『副業に関する規定はありますか』とたずねればよいだけです。聞くこと自体が問題になる会社は多くありませんし、口頭で確認しておけば、あとで『知らなかった』という事態も防げます。
毎週火曜のニュースレターでは、こうした『今日から無理なくできる、働き方の小さな一歩』を、根拠とともに一つずつお届けしています。仕事の合間に読める分量です。副業やキャリアの一歩を、着実に踏み出していきたい方は、無料の購読からのぞいてみてください。
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出典
参考にした情報源
この記事の内容は、次の一次情報・公式資料をもとにしています。気になる点はご自身でも確かめられます。
- 厚生労働省(平成30年策定・令和2年/令和4年改定)公的機関副業・兼業の促進に関するガイドライン(わかりやすい解説)
企業に原則副業を認める方向での就業規則見直しを促し、雇用型の副業は本業と副業の労
mhlw.go.jp
著者プロフィール

岩崎正宏 (MANTA)
関西の飲食企業で広報・マーケを担当。映像制作・写真・SNS運用・AI活用の実務
中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。


