
会議資料が遅いのは、才能じゃない。「型」で30分を5分にする段取り術【1から】
毎週の会議資料、気づけば前の晩に「ゼロから」作り始めている――もし心当たりがあるなら、これはあなたの段取りの話です。残業や気合いの問題に見えて、本当はもっと手前の、たった一つのことでつまずいているのかもしれません。この記事は、会社で資料づくりに毎回時間を取られている人へ向けて、専門的なデザイン技術ぬきで「型」の作り方を一から解説します。読み終わるころには、そのままコピーして使える型が手元にあるはずです。身近な例え話で、順番にお見せします。
次の会議資料の下書きを「目的・現状・提案・次の一歩」で作って
目的
来期の広告予算15%増の承認をもらう
現状
Q3は売上98%着地。広告経由の問い合わせが鈍化
提案
広告費を15%増やし、動画広告に寄せる
次の一歩
来週中に配信プラン作成、再来週に決裁
まず結論
資料づくりが遅いのは、能力のせいではありません。毎回ゼロから組み立てているという、作り方のせいです。決めるのは中身ではなく「見出しの順番」。その順番を決めた型を一枚持つだけで、白紙の前で悩む時間がなくなります。まずは、そのまま使える型を一つ手に入れることから始めましょう。
5 つの視点で、ぜんぶ具体に。
知識 → 手順 → 道具 → 景色 → 次の一歩。読みたいところから。
そもそも、なぜ「ゼロから」だと資料は遅くなるのか?
毎回ゼロからだと、頭は「何を書くか」と「どう並べるか」を同時に抱えます。脳がつまずくのは、後者の並べ方のほう。料理でレシピがないと手順に迷うのと同じで、構成という地図がないと、中身を考える前に組み立てで時間を使ってしまうんです。遅さの正体は、考える力ではなく毎回ふりだしに戻る構成にあります。
図解
ゼロから作る人と、型がある人の頭の中
まず、ひとつ前提から。資料づくりが遅い人は、決して中身を考える力が低いわけではありません。
料理に例えるとわかりやすいです。レシピが手元にあれば、手順に迷わず材料を切るだけ。でもレシピなしで作ると、「次に何をするか」を毎回考えながら、同時に手も動かすことになります。
資料も同じで、「並べ方の型」がないと、中身を考える前に構成で止まってしまう。遅いのは中身ではなく、毎回ふりだしに戻る構成のほうなんです。
「型」とは、具体的に何を決めることなのか?
型と聞くと難しそうですが、決めるのは「見出しの順番」だけです。たとえば目的・現状・提案・次の一歩、この四つを並べた空のテンプレで十分。中身は会議ごとに変わっても、並べ方は変わりません。だから一度決めれば毎回使い回せます。完璧なフォーマットより、粗くても一枚作ることが近道です。
図解
資料の「型」=見出しの順番
この4つを上から埋めるだけ
- 01目的この資料で相手に何を決めてほしいか
- 02現状いま何が起きているか、事実だけ
- 03提案だから何をするか、ひとつに絞って
- 04次の一歩誰が・いつまでに動くか
「型」というと立派なフォーマットを想像するかもしれませんが、決めるのはたった一つ。「見出しの順番」だけです。
おすすめは『目的 → 現状 → 提案 → 次の一歩』。相手が「で、どうすればいい?」と迷わずに進める並びです。
ただし、これはあくまで一例。あなたの仕事に合わせて、見出しは足したり引いたりしてかまいません。予算やリスクを足してもいいし、社内向けなら現状を厚くしてもいい。土台の順番さえ持っていれば、応用は自由です。
そのままコピーして使える「型」はある?
あります。下の四行をそのままコピーして、自分の言葉で埋めるだけ。目的・現状・提案・次の一歩――この順番が、相手を迷わせない並びです。職種で少し形は変わりますが、土台は共通。営業の提案も、上司への報告も、社内会議も、この型から始められます。まずは一度、コピーして貼ってみてください。
いちばん早いのは、考えるより先に「貼って埋める」ことです。下の型をコピーして、ドキュメントに貼り付けてみてください。
職種で少しだけ形を変えると、もっと自分のものになります。
・営業の提案資料:目的 → 相手の課題 → 提案 → 価格・条件 → 次の一手
・上司への週次報告:目的(報告か相談か) → 現状の数字 → 課題 → 次にやること
・社内の企画会議:目的 → 背景 → 提案 → 懸念とその対策 → 決めてほしいこと
どれも「目的から始めて、最後は次の一歩で終わる」のは同じ。あなたの会議に近いものを選んで、土台にしてください。
図解
コピーして、埋めるだけの型
4行まるごとコピー → 自分の言葉に書き換え
- 目的
- 例)来期の広告予算15%増の承認をもらう
- 現状
- 例)Q3は売上98%着地。広告経由の問い合わせが鈍化
- 提案
- 例)広告費を15%増やし、動画広告に寄せる
- 次の一歩
- 例)来週中に私が配信プランを作成、再来週に決裁
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自分の仕事に合った「型」は、どう作ればいい?
三ステップです。①過去にうまくいった資料を一枚開く ②中身を消して見出しだけ残す ③目的・現状・提案・次の一歩の順に並べ替える。ゼロから考えず、うまくいった例から逆算するのが迷わないコツ。もし手元に無くても、上司の資料や議事録を一枚借りれば十分。今あるものから始められます。
図解
型は三ステップで作れる
- 01開く過去にうまくいった資料を一枚開く(無ければ上司の資料でOK)
- 02消す中身を全部消して、見出しだけ残す
- 03並べる目的 → 現状 → 提案 → 次の一歩 の順に並べ替える
自分の型は、3ステップで作れます。① 過去にうまくいった資料を1枚開く。② 中身を全部消して、見出しだけ残す。③ その見出しを「目的・現状・提案・次の一歩」の順に並べ替える。
ポイントは、ゼロから考えないこと。すでにうまくいった例から逆算するから、迷いません。
「うまくいった資料なんて手元にない」――新人や転職したばかりなら、当然です。その場合は、上司が作った資料、社内で回ってきた議事録、この記事の型を、そのまま借りてしまえばいい。最初は借り物で十分です。
型を「毎回使う」には、どこに置けばいい?
毎回ゼロから探さなくていいよう、いつも開く場所に登録します。Googleドキュメントなら「テンプレートギャラリー」、Wordなら「.dotx形式」で保存。新規作成のたびに空の型が開きます。議事録も同じ型でそろえれば、探す手間ごと消える。道具は増やさず、いつもの一つに型を仕込むのが、続けるコツです。
作った型は、しまい込んだら意味がありません。「毎回、勝手に出てくる」状態にするのがコツです。
やり方はかんたん。新規作成のたびに、空の型が開くようにしておくだけ。下の手順で5分あれば終わります。
道具を増やす必要はありません。いつも使っている一つに、型を仕込む。それだけで続けやすくなります。
図解
型をテンプレに登録する手順
- 01Googleドキュメントファイル → 新規作成 → テンプレートから → ギャラリーに送信
- 02Wordファイル → 名前を付けて保存 → ファイル形式を「.dotx」に
型があると、会議前はどう変わるのか?
白紙を前に「何から書こう」と悩む時間が、まるごと消えます。型の見出しを上から順に埋めるだけ。空いた時間は、そのぶん中身の精度に回せます。資料が速い人は、特別な才能があるのではなく、毎回この型から始めているだけ。差は能力ではなく、型を持っているかどうか、ほんとうにそれだけなんです。
型を持つと、会議前の風景そのものが変わります。
白紙を前に「何から書こう」と悩む、あの時間が消えます。型の見出しを上から順に埋めるだけ。空いた時間は、中身の精度に回せます。
(下の数字は、私自身が社内の週次会議資料で計ってみた目安です。会議の規模や資料量で前後しますが、「悩む時間が消える」効果はどの資料でも共通でした。)
③ 道具
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著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏
映像とデザインで「伝わる」をカタチに。
中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。
