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【生成AIの教科書⑤】資料づくり — 企画書・スライド・画像をAIで形にする

更新: 7 分で読める

「来週までに企画書とスライド、ぜんぶ用意しておいて」。会社で『AI活用よろしく』と任された人にとって、いちばん心折れる瞬間がこれですよね…。真っ白なパワポを前に、まず構成で2時間、デザインで2時間、画像探しで2時間。気づけば夜中。でも、生成AIに頼り方を覚えると、ここがびっくりするくらい軽くなります。今回は、構成→スライド→画像→図解という資料づくりの全工程を、無料の範囲で、初心者でも今日からたどれる手順にしてお届けします。読み終わるころには、企画書の「たたき台」が30分で手元に来ます。

新商品の社内発表用、10枚の構成案を作って

スライド構成案(10枚)

1. 表紙:新商品「春の限定うどん」発表

2. 背景:春商戦の売上推移と課題

3. 商品概要:味・価格・販売期間

4. ターゲット:30〜40代女性客

5. 販促計画:SNS動画を軸に展開

…(6〜10枚目も続く)

出力イメージ(内容はダミー)。実際はあなたの企画の中身で埋まります

まず結論

資料づくりはAIに「構成→スライド→画像→図解」の順で任せると、いちばん早いです。構成はChatGPTで骨組みを作り、スライドはGamma・イルシル・Canvaのどれかで起こす。画像と図解は無料の範囲で生成し、仕上げの言葉と数字は自分の手で。これだけで初稿が30分で手元に届きます。

5 つの視点で、ぜんぶ具体に。

知識 → 手順 → 道具 → 景色 → 次の一歩。読みたいところから。

そもそも、資料づくりのどこをAIに任せたらいいの?

資料づくりは「考える」「形にする」「飾る」の3つの層に分かれます。AIが得意なのは、まんなかの「形にする」と「飾る」の2層だけ。中身を考えるのは、これまで通り人の仕事のままです。骨組みと装飾だけをAIに巻き取ってもらう、と決める。この線引きを覚えるだけで、迷子になりません。

資料づくり、ぜんぶAIに丸投げできたら…と思いますよね。でも、いきなり全工程を任せると、ぼやっとした企画書が出てきて、結局イチから書き直し。あるあるです。

コツは、作業を3つの層に分けて考えること。①考える層(誰に・何を伝えるか・結論はどこか)②形にする層(構成、目次、スライド化)③飾る層(画像、色、図解)。

AIが本当に強いのは②と③です。①の「考える層」は、社内の事情やお客さんの顔を知っている人にしか書けないから、ここはがんばって自分の言葉で書く。

例えるなら、料理で「献立を決める」のは自分、「下ごしらえ」と「盛り付け」はAIにお任せ、みたいな分担です。これだと、AIの仕事が増えても、自分の判断は残ります。

この線引きさえ覚えておけば、ツールが変わっても応用が効きます。まずは「中身は自分、見た目はAI」。これを口ぐせにしてください。

図解

資料作成は「構成」と「見た目」を分ける

いきなりスライドを作らず、まず中身の骨組みをAIに出させます。

  1. 01目的誰に何を決めてもらうか
  2. 02構成章立てと1枚ごとの役割
  3. 03下書き本文と図解案を作る
  4. 04整える余白、強弱、表現を人が直す
AIには構成、最後の判断は人。この分担が一番速いです。
3資料づくりの作業構造

AIが作るスライドって、社内資料として通用するレベルなの?

結論、社内資料の「たたき台」としては、いま十分に通用するレベルです。完成品をそのまま提出するのは、まだ早いです。文字の言い回しや、数字の根拠、デザインの細部は、人の手直しが必要です。でも、白紙から80点のたたき台までが、たった5分になる。この時短だけでも、導入する価値は十分にありますね。

「AIで作ったスライド、見た目はキレイだけど、なんか薄い」。これ、まわりからもよく聞きます。実際、現状のAIスライドは80点くらいの出来です。

ただ、考えてみてください。白紙から80点までを5分で運んでくれる、というのは、かなりの時短ですよね。残りの20点を人が乗せれば、提出レベルになります。

うちでも、企画書の初稿はAIで作って、社内のミーティングに持ち込み、その場で意見をもらいながら直す、という流れに変えました。最初から完璧を狙わないのがコツ。

あと、AIスライドが苦手なのは「数字の根拠」と「お客さんの固有名詞」です。ここはAIが知らない情報なので、人が後から差し込む前提で考えておく。

「たたき台」だと割り切ると、AIスライドはかなり使えます。完成品扱いすると、ガッカリします。期待値の置き方ひとつです。

5白紙から80点のスライドまで

まずは、構成案をAIに作ってもらうところから始めたい

構成案は、ChatGPTかClaudeに「テーマ・対象・スライド枚数」の3つを伝えるだけで作れます。たとえば「新商品の社内発表用、10枚」と書くだけで、目次と各スライドの見出しまでまとめて出てきます。これを土台に枚数を調整するだけで、構成を悩む時間が半分以下になることもありますよ。

資料づくりの最初の山が「構成」です。ここを越えると、あとは流れで進みます。

①ChatGPTを開く(無料版でOK)。②画面下のチャット欄に、次のテンプレを貼ります。

【コピペ用テンプレ】#資料の種類: 社内向け企画書 #テーマ: 〇〇 #対象: 営業部メンバー #枚数: 10枚 #ゴール: 来月の販促キャンペーン承認 #出力形式: 各スライドの見出しと、入れるべき要素を箇条書きで。

③Enterキーで送信。30秒くらいで、目次案がずらっと出てきます。④出てきた構成を見て、増やしたい・減らしたいスライドがあれば、続けてチャット欄に「3枚目を、お客様の声に差し替えて」みたいに頼むだけ。

ポイントは、最初から完成形を狙わないこと。3〜4回会話して、ようやく狙いに近づきます。AIは1発で当てる相棒ではなく、何度も壁打ちする相棒、と思っておくと気が楽です。

ここで作った構成案を、次のスライド生成AIに渡します。

図解

資料構成を作るプロンプト

スライドを作る前に、この指示で骨組みを出します。

#目的
社内会議でAI導入の方針を決めたい。
#相手
経営者と現場責任者が読みます。
#構成
5枚構成。各スライドの見出しと要点。
#条件
専門用語を避け、判断材料を先に出す。
資料は「作る」前に「並べる」。ここをAIに任せます。

スライドはGamma・イルシル・Canva、どれから試したらいい?

迷ったらまずGammaを試してください。日本語の精度と見た目のバランスが、初心者にいちばん優しいからです。日本のビジネス資料っぽさを出したいならイルシル、デザインの自由度ならCanva。3つとも無料で始められるので、同じ構成を入れて比べると、自分の業務に合うものが見えてきます。

スライド生成AIは、いまの代表格が3つあります。それぞれの「向いてる用途」を、ざっくり言うと…

①Gamma(ガンマ):テキストを入れるだけで、おしゃれな構成にまとめてくれる海外発のサービス。日本語にも対応。プレゼンっぽい、軽やかな見た目になりがち。

②イルシル:日本のサービスで、日本のビジネス資料らしい固めのデザインが得意。営業資料や社内稟議に強い。テンプレも国内向け。

③Canva(キャンバ):デザインツールにAI機能が乗った形。テンプレが豊富で、画像や図解も同じ画面で完結する。自由度はいちばん高い。

選び方の目安は、こうです。「とにかく早く・キレイに」=Gamma、「社内のお堅い資料」=イルシル、「広報・営業の販促物」=Canva。

おすすめは、同じ構成案を3つに同じ条件で入れてみること。同じテーマでも、見た目がガラッと変わるのが分かります。手で比べたほうが、説明より早いです。

3押さえたいスライド生成AI

読みかけの記事は、この下に続きます

実際にGammaでスライドを作る手順を、画面のどこを押すかまで教えて

Gammaは、Googleアカウントでサインインして、ホーム画面の「新規作成」から「テキストを貼り付ける」を選ぶだけで始められます。さきほどChatGPTで作った構成案をそのまま貼り、テーマを選んで「生成」を押す。これで10枚のスライドが3分ほどで完成します。手順としては、たった4ステップです。

では、実際の操作を順に追います。Gammaは日本語にも対応しているので、英語が苦手でも大丈夫です。

①gamma.app を開いて、右上の「サインアップ」からGoogleアカウントでログイン。クレジットカード登録は不要です(無料枠あり)。

②ログイン後のホーム画面で「+ 新規作成」ボタンを押す。作り方の選択肢が出るので「テキストを貼り付ける」を選びます。

③次の画面の入力欄に、さきほどChatGPTで作った構成案をそのままコピペして、「続ける」を押します。

④設定画面で形式は「プレゼンテーション」を選んで「続ける」。テーマを選ぶ画面になるので、シンプル系を選んでおくと無難です。最後に「生成」ボタン。3分ほど待つと、スライドが完成します。

あるあるの注意点として、無料版のAI生成は登録時にもらえる合計400クレジットの買い切りです(スライド生成だとおおよそ10回分。毎月は回復しません)。クレジット数や条件は変わりやすいので、最新は公式サイトで確認を。本気で使うなら、まず無料で試して気に入ったら有料プラン、という順番がよいかと。

出来上がったスライドは、右上の「エクスポート」からPDFやPowerPoint形式で保存できます。社内に渡すときはPowerPoint(.pptx)が便利です。なお、無料版はスライドにGammaのロゴ表示が入ります。社内のたたき台なら実害はありませんが、対外資料に使うときは有料版で外せます。

画像と図解も、AIで作りたい。無料でできる範囲を知りたい

画像はCanvaのAI画像生成、図解はGammaやChatGPTの図解機能で、無料の範囲で始められます。商用利用OKなものを選ぶのが大事です。実写風はAIで作るとまだ不自然になりがちなので、当面はイラスト系を中心に。図解は、文字で説明したい関係性をそのまま言葉でAIに伝えるのがコツです。

画像生成は、Canvaの「マジック生成」機能がいちばん入り口がやさしいです。①Canvaで新しいデザインを開く。②左メニューの「アプリ」→「マジック生成」をクリック。③「夏らしい爽やかな冷やしうどんの写真」みたいに日本語で指示する。④10秒くらいで4枚の候補が出てきます。なお、無料版のマジック生成は合計50回まで(毎月は回復しません)。本格的に使うなら有料のCanva Pro(月500回)です。

図解(関係図やフロー図)は、Gammaのスライド内に直接お願いするのが早いです。スライドの中で「ここに、顧客→営業→製造→納品の流れを矢印で示した図を入れて」とテキストで指示するだけ。AIが自動で図を組んでくれます。

もうひとつ、無料で覚えておきたいのが、ChatGPTにMermaid記法(フローチャート用の書き方)で書いてもらう図解です。「以下の流れを、Mermaid記法のフローチャートで書いて」と頼むと、コードが返ってきます。それをmermaid.live というサイトに貼ると、図がきれいに表示されます。

商用利用については、各サービスの利用規約に「商用OK」と書かれていることを確認してから使ってください。Canva、Gammaは無料版でも基本的にOKですが、AIが学習に使った素材の権利問題が話題になることもあるので、社外配布の資料では「念のため、人が描いたイラストや自社撮影の写真を優先する」という運用がいまのところ安全です。

AIが苦手なのは「特定の人物の写真」と「実在の商品の正確な再現」です。ここはこれまで通り、自社の撮影と素材サイトを使うのが無難。AIはあくまで「装飾の足し算」と思っておくと、安心して使えます。

資料づくりの次は、何を覚えたらいい?

次は第6章で、AIに「考えを整理してもらう」使い方に進みます。資料は形になっても、中身の考えがぼんやりしていたら届きません。情報の整理、要約、議事録の作り方など、頭の中をスッキリさせるAIの使い方を、次回は手順でお届けします。読者登録しておけば、更新はメルマガでお知らせします。

ここまでで、企画書・スライド・画像・図解という資料の「形」を作る手順は、ひととおりたどれるようになりました。

ただ、形ができても、中身がぼんやりしていたら、結局は伝わりません。次の第6章では、AIに「考えを整理してもらう」使い方に進みます。会議の議事録をきれいにまとめる、長い資料を3行に要約する、頭の中のごちゃごちゃをツリーに整理する、という業務に直結する使い方です。

更新はTalent Stackのメルマガでお知らせします。第1章から順番に読みたい方は、上のシリーズ目次から戻れます。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

③ 道具

著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏 のプロフィール写真

MANTA / 岩崎 正宏

映像とデザインで「伝わる」をカタチに。

中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。

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