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【生成AIの教科書②】指示の出し方 — AIに思い通り動いてもらうプロンプトの型

更新: 7 分で読める

生成AIの教科書、第2章です。前回はAIに触れる第一歩をお見せしました。今回はその次——「指示の出し方」、いわゆるプロンプトの話です。同じAIを使っても、人によって答えが全然違う。その正体は、渡している言葉の差です。難しい横文字を覚える必要はありません。覚えるのは5行の型ひとつだけ。役割・文脈・制約・出力形式・例示。この5行を順番に埋めるだけで、誰でも安定した答えを引き出せるようになります。コピペで使える例文も、テンプレを育てる方法も、専門用語ぬきで全部お見せします。読み終わるころには、明日からのメールや議事録が、ぐっとラクになっているはずです。

常連さん向けに新メニューのご案内メールを書いて

件名

【冷やし担々麺、はじめました】夏のごあいさつ

本文

いつもありがとうございます、〇〇です。

来月から、夏限定の冷やし担々麺をお出しします。

ピリッと辛く、後味すっきり。汗ばむ日のお昼に。

ぜひ、お顔を見せにいらしてください。

出力イメージ(内容はダミー)。実際は5行テンプレで指定した内容で埋まります

まず結論

AIは入れた言葉の続きを書く機械。だから「指示の出し方」が9割です。基本の型は5行——役割・文脈・制約・出力形式・例示。一発で当てに行かず、2〜3回の言い直しで寄せる。よく使う指示はテンプレ化して育てる。目安ですが、30分かかっていた文章仕事が5分で形に。企画書のたたき台なら、1日に何本も回せます。

5 つの視点で、ぜんぶ具体に。

知識 → 手順 → 道具 → 景色 → 次の一歩。読みたいところから。

そもそも、AIはなぜ「指示の出し方」で答えが変わるの?

AIは、こちらが入れた言葉を手がかりに、続きをそれっぽく書く仕組みです。だから言葉が曖昧だと、答えも曖昧になります。逆に「誰として・何のために・どんな形で」を具体的に渡すと、答えはぐっと安定します。指示の出し方が9割。これがAIと付き合う、いちばん大事な前提なんです。

「同じAIを使っているのに、人によって出てくる答えが全然違う」。よく言われます。理由はシンプルで、AIに渡す「言葉」が違うからです。

AIの中身を、すごくざっくり言うと、「入れた言葉の続きを、いちばんありそうな形で書く機械」です。だから入れる言葉が変われば、出てくる言葉も変わる。当たり前のようで、ここを忘れると振り回されます。

たとえば「メール書いて」とだけ言うと、AIは「どんなメール?」と分からないので、平均的で当たり障りのない文章を返してきます。一方、「うちの常連さんに、新メニューのご案内メールを、いつもより少しだけ丁寧な口調で」と言えば、ぐっと使える文章になります。

料理に似ています。「なんか美味しいの作って」と頼むのと、「あの定食屋の生姜焼き定食、ご飯少なめで」と頼むのでは、出てくる料理が違う。AIも同じです。

指示の出し方が9割。覚えてほしい言葉は、これひとつだけです。

9結果を左右する指示の質

プロンプトって何?難しそうな名前だけど…

プロンプトは「AIへの指示文」のことです。横文字でちょっと身構えますが、実体はただのお願い文。専門知識はいりません。大事なのは型を一つ覚えること。役割・文脈・制約・出力形式・例示の5つを少しずつ足していくだけで、誰でも同じ品質の答えを引き出せるようになります。難しく考えなくて、大丈夫です。

プロンプト(prompt)は、英語で「促し」「合図」みたいな意味です。AIの世界では「AIに渡す指示文」のことを、こう呼んでいます。

横文字だと身構えるんですが、中身はただのお願い文です。「これやって」と書くのも、立派なプロンプトです。

ただ、お願い文には型があります。型を知っているかどうかで、答えの安定感がまったく違います。

基本の型は、次の5つです。① 役割(あなたは誰か) ② 文脈(何の話か) ③ 制約(やってほしいこと/やってほしくないこと) ④ 出力形式(どんな形で返すか) ⑤ 例示(こんな感じ、というサンプル)。

いきなり5つ全部はいりません。最初は「役割+文脈+出力形式」の3つから。慣れてきたら制約と例示を足す。この順番が、いちばん挫折しにくいです。

図解

プロンプトは5つの部品でできている

毎回うまく書こうとせず、部品を順番に埋めると安定します。

  1. 01役割あなたは誰か
  2. 02文脈何のための仕事か
  3. 03制約文字数、口調、禁止事項
  4. 04形式表、箇条書き、メール本文
慣れたら最後に「例示」を足すと、さらに精度が上がります。
5プロンプトの基本パーツ

基本の型って、具体的にどう書けばいい?

基本の型は、5行で組み立てます。①役割「あなたは〇〇です」②文脈「相手は〇〇、目的は〇〇」③制約「文字数は〇〇、トーンは〇〇」④出力形式「箇条書きで」や「メール本文として」⑤例示「こんな感じ」。この5行を埋めるだけ。空欄でも構いません。書けば書くほど、答えの当たりが良くなっていく仕組みです。

では、具体的に書いてみます。コピペで使える例文を、そのまま載せます。

【コピペ用テンプレ】

#役割: あなたは飲食店の広報担当です。

#文脈: 相手はお店の常連さん。来月の新メニュー(夏限定の冷やし担々麺)をご案内したい。

#制約: 文字数は300字以内。やわらかい口調で。値段の話はしない。

#出力形式: メール本文として、件名と本文を分けて。

#例示: (前回のメール本文を貼る、または「いつもありがとうございます。〇〇です…」のように書き出しだけ示す)

この5行をChatGPTやClaudeに貼って送るだけで、最初から80点くらいの答えが返ってきます。空欄があってもOK。AIは、足りない部分は無難な形で埋めてきます。

コツは、いきなり完成形を目指さないこと。まずは2〜3行で投げてみて、出てきた答えを見ながら、足りない指示を1行ずつ足していく。これが、いちばん早い書き方です。

図解

そのまま貼れる5行プロンプト

まずは空欄を埋めるだけで十分です。

#役割
あなたは飲食店の広報担当です。
#文脈
常連さんに新メニューを案内します。
#制約
300字以内。やわらかい口調。価格は書かない。
#出力形式
件名と本文に分けたメール形式。
#例示
いつもありがとうございます、から始めてください。
コピペ型は「毎回ゼロから考えない」ための業務資産です。

思い通りの答えが出ないとき、どう直す?

一発で思い通りの答えが出るのは、まれです。コツは「言い直し」を前提にすること。①どこが違うかを1行で伝える②正解の例を1つだけ渡す③再生成をお願いする。この3ステップで、ほとんどの場合は2〜3回のやり取りで形になります。完璧を狙わず、対話で寄せていくのが、AIとのちょうどいい付き合い方なんです。

プロンプトを書いても、一発で「これだ!」という答えが出ることは、実はまれです。プロでも、何度かやり取りしながら寄せていきます。

言い直しは恥ずかしいことではなく、AIの正しい使い方です。3ステップを覚えておくと、楽になります。

① 違いを1行で伝える — 「もう少し柔らかい口調で」「最後の段落だけ短く」「専門用語を3つ減らして」など、ピンポイントで伝える。「全体的に微妙」のような曖昧な指摘は、AIには伝わりません。

② 正解の例を1つだけ渡す — 「こういう感じが理想です」と、過去のメールや、雑誌の見出しなどを1つ貼る。例があると、AIの精度はぐっと上がります。

③ 再生成をお願いする — 「上の指示で、もう一度書き直してください」と言うだけ。新しい会話を始める必要はありません。

2〜3回往復すれば、たいていの場合は形になります。完璧な一発を狙うより、雑談しながら寄せていく…そのほうが、結果も早く、気もラクなんです。

2〜3思い通りになる平均往復

読みかけの記事は、この下に続きます

よく使う指示は、毎回書かないとダメ?

よく使う指示は、テンプレ化してしまうのが正解です。①メモアプリやNotionに「プロンプト集」フォルダを作る②用途ごとに5行テンプレを保存③次回は中身だけ差し替える。これだけで、毎回ゼロから書く必要がなくなります。1ヶ月続けるとテンプレが10個くらい貯まり、AIを使う時間が半分以下になることも。

AIを使い慣れてくると、「あ、これ前にも書いたな」という指示が増えてきます。毎回ゼロから書くのは、時間の無駄です。

おすすめは、よく使うプロンプトを、自分の「プロンプト集」として貯めていくことです。手順はシンプル。

① Notion、Apple メモ、Google ドキュメント、なんでもいいので「プロンプト集」というフォルダを1つ作る。

② 用途ごとに、さっきの5行テンプレを保存する。「お礼メール用」「議事録要約用」「ブログ下書き用」など、名前をつけて整理。

③ 次に使うときは、そのテンプレを開いて、中身(相手の名前、お店の名前、文字数など)だけ差し替えてAIに投げる。

最初の1週間は面倒に感じますが、1ヶ月もすればテンプレが10個くらい貯まります。そうなると、AIを使う時間が半分以下になることも。「自分専用の指示書」を育てている感覚です。

ちなみに、ChatGPTには「GPTs(カスタムGPT)」、Claudeには「プロジェクト」という、よく使う指示をあらかじめ覚えさせておける機能もあります。慣れてきたら、そちらに移していくと、さらに楽になります。

101ヶ月で貯まるテンプレ数
50%AI作業の時間削減

型を覚えると、仕事の景色はどう変わる?

プロンプトの型を1ヶ月続けると、景色が変わります。今まで30分かかっていた文章作りが、5分で形になることも。さらに大きいのは「AIに任せられる仕事」が見えてくることです。型を持っている人は、ふつうの会社員でも企画書や提案書のたたき台を、1日に何本も回せます。指示の出し方ひとつで、仕事の量は変わるんです。

ここまでの内容を、もし1ヶ月続けてもらえたら、仕事の景色はどう変わるか。

まず、目に見えて変わるのは「時間」です。30分かけていたメール下書きが、5分で形になることも。1時間かかっていた議事録の要約が、10分で終わることも。たたき台なら、こういう変化が最初の数日で起こります。

ただ、それ以上に大きいのは「任せられる仕事の幅」が変わることです。型を持っていない人は、AIに毎回その場で頼みごとをします。型を持っている人は、「これはあのテンプレで」「これはあのテンプレで」と、流れ作業のように回せます。

たとえるなら、料理人がレシピを覚えているのと、毎回ネットで検索するのとの違いです。同じ材料でも、回せる品数がまったく違ってきます。

指示の出し方ひとつで、仕事の量と質は、ここまで変わります。AIは魔法ではないけれど、型を持つ人には、確かに大きな味方になります。

30→5文章作成にかかる時間

次の一歩は、何から始める?

おつかれさまでした。今日からの一歩は、たった一つです。今週、5行テンプレを使って、メールを1本だけAIに下書きしてもらってください。それだけで、指示の出し方の感覚はつかめます。次の第3章では、文章の仕事(メール・議事録・要約)への応用を、もっと具体的にお見せします。更新はメルマガでお知らせします。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。指示の出し方、なんとなく形が見えてきたでしょうか。

頭で覚えるより、一度自分の手で投げてみるのが、いちばん早いです。難しいことはしなくて大丈夫。

今週、5行テンプレを使って、メールを1本だけAIに下書きしてもらってください。お礼メールでも、お知らせメールでも、なんでもOK。投げて、返ってきた答えを見て、「ここ違うな」と思ったら言い直す。それだけで、感覚はつかめます。

次の第3章では、文章の仕事(メール・議事録・要約)に、この型をどう応用するかを、もっと具体的にお見せします。コピペで使える事例を、たくさん用意しました。

更新はメルマガでお知らせします。今週、1本だけ。それが、あなたのAI活用の、確かな一歩目になります。

③ 道具

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著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏 のプロフィール写真

MANTA / 岩崎 正宏

映像とデザインで「伝わる」をカタチに。

中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。

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