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【生成AIの教科書③】文章の仕事 — メール・議事録・報告書・要約をAIに任せる

7 分で読める

生成AIの教科書、第3章です。前回はプロンプトの基本5行をお見せしました。今回はその応用編——会社で「AI活用、よろしく」と任されてしまった人が、いちばん最初に頼られる「文章の仕事」を、ぜんぶAIに下書きしてもらう回です。お詫びメール、お礼メール、長い資料の要約、ぐちゃぐちゃの議事録、報告書のたたき台、海外への翻訳。どれも30分かかっていたものが、5分の手直しで終わることも。専門知識は不要、コピペで使えるプロンプトを章ごとに用意しました。読み終わるころには「これ、明日から使えるな」と思ってもらえるはずです。

取引先A社のB様へ、納期3日遅れのお詫びメール300字で

件名

納品遅延のお詫びと新納期のご連絡

本文

B様 いつもお世話になっております。

このたび納品が3日遅れる見込みとなりました。

新しい納期は◯月◯日を予定しております。

ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

出力イメージ(内容はダミー)。実際はあなたの相手・日付・自社名で埋まります

まず結論

文章の仕事は、AIにいちばん向いた領域です。メール下書き・長文要約・議事録・報告書・翻訳。前章で覚えた5行の型に「素材」を足すだけで、30分の作業が5分に縮みます。完璧を狙わず、たたき台をAIに出させて、自分は判断と仕上げに集中する。これが、文章をAIに任せる、いちばん健全な付き合い方なんです。

5 つの視点で、ぜんぶ具体に。

知識 → 手順 → 道具 → 景色 → 次の一歩。読みたいところから。

そもそも、なぜ文章の仕事はAIと相性がいいの?

AIは、ある言葉から続きを書くのが得意な機械です。だから、ゼロから生み出すよりも「下書き」「言い換え」「要約」のような書き直し系の仕事が、いちばん向いています。逆に言うと、文章の仕事の多くは、ほぼ全部AIで時短できる。広報や事務の人がまず触るべき領域が、ここなんです。

「AIで何ができるんですか」と聞かれたとき、僕がいちばん最初におすすめするのが、この文章の仕事です。理由はシンプルで、AIの得意分野とぴったり重なるからです。

前章で書いたように、AIは「入れた言葉の続きを、それっぽく書く機械」です。これは裏を返すと、すでにある材料を、別の形に書き換えるのが得意ということでもあります。

たとえるなら、優秀な新人さんに「この走り書きのメモ、清書しておいて」と頼む感じです。ゼロから企画を考えてもらうより、形のあるものを整える仕事のほうが、ずっと早く・正確に上がってきます。

会社で発生する文章の仕事を、ざっくり並べると——メール、議事録、報告書、要約、翻訳、お知らせ文、社内連絡、SNS投稿…。だいたい8割は「ゼロからではなく、何かをもとに書く」仕事です。

つまり、文章の仕事のほとんどは、AIで時短できる。AI活用の入り口として、これ以上ない領域なんです。

図解

文章仕事は5工程に分けるとAIに任せやすい

AIに丸投げせず、下書き工程だけを任せると品質が安定します。

  1. 01目的誰に何を伝えるか決める
  2. 02素材事実、数字、条件を渡す
  3. 03下書きAIに文章化させる
  4. 04確認人が温度と事実を直す
完成品ではなく「たたき台」を作らせるのがコツです。
8文章の仕事がAI向きな比率

AIにお願いするとき、最初に伝えるべき3点は?

最初に伝えるのは「誰に・何のために・どんな形で」の3点です。たとえば取引先へのお詫びメールなら、相手・目的・200字程度といった条件を添えるだけで、返ってくる文章の精度がぐっと上がります。長く書く必要はなくて、箇条書きで十分。まずはこの3点を口ぐせにするのがコツです。

あるあるですが、いきなり「メール書いて」だけだと、ぼんやりした文章が返ってきます。

①誰に(取引先のAさん、社内の部長、お店の常連さん)②何のため(納期遅れのお詫び、新メニューのご案内、見積もり依頼の催促)③形(200字・やわらかめ、件名と本文を分けて、丁寧語)。この3つを足すだけです。

例えるなら、新人さんに「いい感じにやって」より「A4一枚、結論から、上司に出す体で」のほうが伝わるのと同じです。

前章の5行テンプレを思い出してもらえると分かりやすいです。「役割・文脈・制約・出力形式・例示」のうち、最低限まず埋めたいのが、この3点。ここさえあれば、最初の下書きは7割の完成度で返ってきます。

迷ったら「相手・目的・形」。これだけ口ぐせにして、AIに渡すクセをつけてください。

メール下書きを、AIに頼む手順は?

メール下書きの手順は3つです。①ChatGPTやClaudeを開く②下のテンプレを貼り付ける③相手・目的・条件の中身を差し替える。これだけで、件名と本文がセットで返ってきます。最初は8割の完成度を狙えば十分。残りの2割は自分の言葉に整えるだけ。30分かけていた作業が、5分で形になります。

では具体的な手順です。今回はお詫びメールを例にします。

①ChatGPT(chatgpt.com)またはClaude(claude.ai)を開く。下のメッセージ入力欄に、次のテンプレをそのまま貼ります。

【コピペ用プロンプト】#役割: あなたは会社の事務担当です。 #相手: 取引先のA社・営業ご担当のB様。 #目的: 納品が3日遅れることのお詫びと、新しい納期(◯月◯日)のご連絡。 #条件: 文字数は300字以内、やわらかいけど誠実な口調、言い訳がましくしない。 #出力: 件名と本文を分けて。

②入力欄の右端にある上向き矢印(↑)の送信ボタンを押す(キーボードのEnterでも送信できます)。10秒くらいで、件名つきの下書きが返ってきます。

③返ってきた文章を読んで、「ここちょっと固いな」「自社名を入れ忘れた」と思ったら、続けて「もう少し柔らかい口調で」「最後に弊社名◯◯を入れて」と伝えるだけ。会話を続ければOKです。

つまずきがちなのは、固有名詞や数字を入れずに頼んでしまうこと。AIは想像で書くので、A社・◯月◯日・自社名は、必ず実物を入れてください。これだけで、ほぼ手直しなしで使えるレベルになります。

図解

文章作成で使う最小プロンプト

メール、案内文、謝罪文はこの型から始めます。

#相手
取引先の担当者に送ります。
#目的
納期遅れのお詫びと、次の予定を伝えます。
#条件
丁寧、短め、言い訳に見えない表現。
#出力
件名1案と本文を作ってください。
固有名詞や金額は、必要な範囲だけぼかして入力します。
30→5メール下書きの時間

長い資料や記事を、要約してもらう手順は?

長文要約は、AIの得意中の得意です。①ChatGPTやClaudeに資料の本文を全部コピペ②「3行で要約して」「重要ポイントを箇条書きで5つ」などの条件を一緒に伝える③返ってきた要約に補足を足してもらう。これだけで、A4で10枚ある資料も1分で全体像がつかめます。会議前のキャッチアップが、別物のように楽になります。

「会議前に、この資料に目を通しておいて」と渡される、A4で10枚以上のPDF。あれを毎回読むのは、けっこうな負担です。要約はAIの十八番なので、迷わず頼ってください。

①ChatGPTやClaudeに、資料の本文をコピペします。PDFならテキスト選択でコピー、Wordなら全選択(⌘A、Ctrl+A)で全部コピー。ChatGPTもClaudeもファイル添付に対応しているので、PDFをそのままドラッグでもOKです(無料版は添付できる回数に上限があります)。

②条件を一緒に伝えます。【コピペ用プロンプト】「次の資料を読んで、①3行の超要約②重要ポイントを箇条書きで5つ③次回会議で確認すべき論点を3つ、出してください。専門用語は中学生にも分かる言葉に置き換えて。」

③返ってきた要約を読んで、「もう少し詳しく」「数字の根拠を引用してほしい」と続ければ、深掘りもしてくれます。

コツは、ただ「要約して」と頼まないこと。「3行で」「箇条書き5つ」「論点3つ」のように、具体的な数字と形を指定すると、ぐっと使える要約が返ってきます。

1時間かけていたキャッチアップが、1分で済むようになる…これが体感できると、AIへの見方が変わります。

101分で要約できる資料の量

読みかけの記事は、この下に続きます

録音や箇条書きから、議事録を作る手順は?

議事録は、文字起こし or 走り書きを材料にAIに整えてもらう仕事です。①Zoomや会議アプリの録音を文字起こし②走り書きメモなら、そのままコピペ③「議事録の形式に整えて」と頼む。決定事項・宿題・次回までの担当が、自動で整理されて返ってきます。1時間の会議の議事録が、10分で完成します。

議事録は、書くのは地味に時間がかかる仕事です。これもAIに任せられます。やり方は2パターン。

【パターンA・録音から】①Zoom・Teamsの自動文字起こしは有料プランの機能です(Google Meetも対象プランのみ・Googleドキュメント形式で保存)。お使いのプランで会議を録音すると、文字起こしファイル(.txtや.vtt)をダウンロードできます。Zoomならポータルの「記録とトランスクリプト」から取得できます。無料プランの方は、スマホ録音+無料の文字起こしアプリか、このあとのパターンB(走り書き)で十分です。

②文字起こしを全部コピペして、AIに渡します。【コピペ用プロンプト】「次の会議の文字起こしから、議事録を作ってください。形式は①日時・参加者②決定事項(箇条書き)③宿題と担当者・期限(表)④次回までの確認事項。雑談は省いて、本筋だけ。」

【パターンB・走り書きから】手書きや、Apple メモの走り書きでもOKです。そのまま貼って、上と同じプロンプトを使えば、同じように整います。

コツは「決定事項・宿題・次回までの担当」を必ず指定すること。この3点が議事録の本体なので、ここを書かせないと、ただの会話のまとめになって使えません。

1時間の会議の議事録が、10分で形になります。残りの時間は、参加者への共有と、自分の予定への落とし込みに使ってください。

60→10議事録作成にかかる時間

報告書のたたき台や、翻訳もお願いできる?

報告書のたたき台と翻訳も、同じ要領でいけます。報告書は「目的・読者・含める項目」を渡せば、骨組みごと出してきてくれます。翻訳は本文を貼って「自然な英語(中国語)に。ビジネスメールの口調で」と頼むだけ。海外取引のメールも、社内報告書のたたき台も、まずAIに作らせて、人は判断と仕上げに集中する流れです。

報告書のたたき台です。【コピペ用プロンプト】「次の条件で、月次報告書のたたき台を作ってください。#読者: 社長と部長 #目的: 先月の販促キャンペーンの振り返り報告 #含める項目: ①概要②数字(売上・来店数・SNSフォロワー増)③良かった点④課題⑤来月の打ち手 #形: A4一枚に収まる分量、見出し付きで。」

数字や具体例は、自分で差し込みます。AIに渡すのは「型」までで、実数値は事実と違うものが出てきがちなので、必ず手で入れてください。

翻訳の手順です。①翻訳したい本文(メール、お知らせ、商品説明など)を貼る ②【コピペ用プロンプト】「次の日本語を、自然な英語に翻訳してください。ビジネスメールの口調で。先方は北米の取引先。固い直訳ではなく、現地の人が読んで違和感のない表現に。」

翻訳の落とし穴は、固有名詞と業界用語です。会社名・サービス名・専門用語は、AIが勝手にローマ字読みに変えてしまうことがあるので、最後に必ず固有名詞の表記を確認してください。

報告書も翻訳も、自分で書くと1時間〜半日かかる仕事です。それが、たたき台10分・仕上げ20分の合計30分で形になります。手は最後に動かせばいい、というのが、AIに任せる文章仕事の基本姿勢です。

次の一歩は、明日からどう動く?

おつかれさまでした。今日からの一歩は1つだけです。明日、AIに「メール下書きを1本」「資料の要約を1本」のどちらか一方を頼んでみてください。それだけで、文章仕事の景色が変わります。次の第4章では、調べもの・アイデア出し・企画書の下書きをAIと一緒にやる方法をお見せします。更新はメルマガでお知らせします。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。文章の仕事をAIに任せる、いちばん基本の手順をひととおりお見せしました。

頭で覚えるより、手で1回投げてみるのが、いちばん早いです。難しいことはしなくて大丈夫。

明日、AIに「メール下書きを1本」または「資料の要約を1本」、どちらか一方だけ頼んでみてください。返ってきた答えに「ここ違うな」と思ったら、言い直してみる。それだけで、文章仕事の景色は変わります。

次の第4章では、調べもの・アイデア出し・企画書の下書きをAIと一緒にやる方法を、具体的にお見せします。今回より少しだけ、頭を使う仕事の話です。

更新はメルマガでお知らせします。明日、1本だけ。それが、あなたのAI活用の、次の確かな一歩になります。

③ 道具

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著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏 のプロフィール写真

MANTA / 岩崎 正宏

映像とデザインで「伝わる」をカタチに。

中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。

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