
防災の最低限リストは1枚でいい — 在宅で働く人が家庭と仕事をまとめて備える
『防災、やらなきゃとは思うんだけど、何から手をつければ…』——在宅で一人働いていると、つい後回しになりますよね。実は手が止まる原因は、完璧を目指しすぎることにあります。あれもこれもと考えるほど量が増えて、結局しまいこんだまま。だからこの記事では逆をおすすめします。まず『最低限リスト』を1枚に絞る。家庭の備えは水・食料・携帯トイレ・明かりの4つを3日分。そこに、在宅で仕事をする人ならではの『取引先の連絡先』と『大事なデータの逃し先』を足すだけ。1枚にまとめれば、家庭の備えも仕事の備えも一目で見渡せます。最低限の中身、無理なく続けるコツ、そして今日できる『スマホに緊急連絡先を1件登録する』一歩まで、順にお見せします。
まず結論
防災は『完璧にそろえよう』と思うほど手が止まります。まず最低限を1枚のリストに絞りましょう。家庭は水・食料・携帯トイレ・明かりを3日分。在宅で一人働くなら、これに取引先の連絡先と大事なデータの逃し先を足すだけです。今日は、スマホに緊急連絡先を1件登録するところから始めれば十分。全部を一度にやろうとしないのが、続けるコツです。
なぜ防災は『気になるのに手つかず』のままなの?
完璧を目指すからです。あれもこれもと考えると量が多すぎて、結局あと回しになります。コツは逆で、まず『最低限リスト』を1枚に絞ること。水・食料・携帯トイレ・明かり、この4つを3日分そろえれば、最初の山は越えられます。全部を今日やろうとせず、リストを1枚に減らすところから始めましょう。
『防災グッズ、そろえなきゃ』と思ったまま、何年も手つかず——という方はとても多いです。私も最初はそうでした。原因は意外なところにあります。完璧を目指しすぎることです。
防災のまとめ記事を見ると、備える物が何十種類も並んでいます。全部そろえようとすると、お金も置き場所も必要で、『まとまった時間ができたらやろう』と後回しになる。そして、その時間は来ません。
だから、考え方を逆にします。増やすのではなく、減らす。まず『これだけは』という最低限を1枚のリストに絞るんです。国の防災案内でも、まずは飲料水・食料などの基本を最低3日分、と最初の目安がはっきり示されています。
最低限の柱は4つ。水・食料・携帯トイレ・明かり(電池やモバイルバッテリーを含む)です。この4つを3日分。まずここまでで、最初の山は越えられます。完璧なリストではなく、動けるリストを1枚。ここから始めましょう。
図解
備えは『足す』より『減らす』と動ける
完璧を目指すほど量が増え、後回しになります。まず最低限を1枚に。
家庭の『最低限』は、何をどれだけそろえればいい?
目安はまず3日分です。飲料水は1人1日3リットルを基本に、食料も3日分そろえます。忘れがちなのが携帯トイレで、1人1日5回を目安に日数分。あとは停電に備える明かり(懐中電灯)と予備電池、スマホを充電するモバイルバッテリー。南海トラフなどが心配な地域は、できれば1週間分まで延ばすと、より安心です。
最低限リストの中身を、数字つきで具体的にしておきましょう。ここがふわっとしていると、結局そろえられないからです。
水は、飲み水として1人1日3リットルが目安。まずは3日分(1人9リットル)から。これとは別に、手を洗ったりトイレを流したりする生活用水も要る、と国の案内は補足しています。食料も同じく3日分。特別な非常食でなく、缶詰やレトルト、いつも食べているもので大丈夫です。
見落とされがちなのが携帯トイレです。断水や停電で水洗トイレが使えなくなると、真っ先に困るのがここ。排せつは1人1日5回ほどが目安とされ、『5回×日数×人数』でおよその必要数がわかります。一人暮らしの3日分なら15回分ほど、が最初のラインです。
あとは、停電に備える明かり(懐中電灯と予備電池)と、スマホを充電できるモバイルバッテリー。連絡と情報の命綱だからです。まずは3日分をそろえ、大きな地震が心配な地域では、できれば1週間分まで延ばしておくと、より安心できます。
非常食を買い込まずに、無理なく続けるコツは?
『ローリングストック』という方法があります。専用の非常食を一気に買い込むのではなく、普段食べる缶詰やレトルトを少し多めに買い、古いものから食べて、使った分を買い足す。この繰り返しで、常に一定量が家に残ります。賞味期限切れのムダも減り、災害時も食べ慣れた味を口にできるのが利点です。
備蓄でつまずくのが、『買ったはいいけど、気づいたら賞味期限切れ』という問題です。専用の非常食は値段も張り、期限管理も面倒。ここで挫折する人が少なくありません。
そこで国も広くすすめているのが、ローリングストックという考え方です。難しいことではありません。普段から食べている缶詰・レトルト・乾麺などを、少しだけ多めに買っておく。そして古いものから普段の食事で使い、食べた分を買い足す。ただそれだけです。
この回し方だと、家には常に一定量の食料が残り続けます。特別な買い物をしなくても、普段の延長で備蓄が成り立つ。賞味期限を切らすムダも減り、いざという時に食べ慣れた味で落ち着ける、という安心もあります。
水やカセットボンベも同じ発想で回せます。『備蓄=特別な準備』と身構えず、『いつもの買い物を、少し多めに』。この小さな習慣が、続く備えの正体です。
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一人で仕事をしている場合、『事業継続』も同じ1枚に足すには?
在宅で一人働く人は、家庭の備えに『仕事の3点』を足しましょう。①取引先・家族の緊急連絡先、②大事なデータの逃し先(クラウドや遠隔地へのバックアップ)、③連絡が取れない時の安否確認の手段です。国が中小・小規模事業者向けに用意する計画もA4数枚程度。まずは1枚に書き出すだけで十分です。
会社員なら会社が備えてくれますが、在宅で一人働いていると、仕事の備えも自分の役目です。とはいえ、大げさな計画はいりません。家庭の最低限リストに、『仕事の3点』を足すイメージで十分です。
一つ目は、連絡先。取引先やお客さま、家族の緊急連絡先を、スマホが使えない時でも見られるよう、紙にも控えておく。二つ目は、データの逃し先です。仕事のファイルや請求データが自宅のパソコン1台にしかないと、水没や停電で失いかねません。クラウドや、別の場所のハードディスクへ複製しておきます。
三つ目は、連絡が取れない時にどう安否を伝え合うか(次の章でくわしく)。この3点を1枚に書くだけで、『自分がしばらく動けない時、仕事はどうなるか』が見えてきます。
実は国も、中小・小規模事業者向けに『事業継続力強化計画』というしくみを用意していて、その様式はA4で数枚程度。安否確認の手順や、大事なもの(ヒト・モノ・カネ・情報)の守り方を書く、と示されています。一人の仕事なら、もっと軽く。家庭のリストに3行足す、くらいの気持ちで始めましょう。
図解
家庭の備えに足す『仕事の3点』
在宅で一人働くなら、最低限リストにこの3行を足すだけ。
- 01①連絡先取引先・お客さま・家族の緊急連絡先。紙にも控える
- 02②データの逃し先仕事のファイルをクラウドや別の場所のHDDへ複製
- 03③安否の手段連絡が取れない時、どう安否を伝え合うか(171/web171)
家族や仕事仲間との『つながり方』は、いつ決めておく?
災害が起きる前、平時のうちに決めておきます。大きな災害では電話がつながりにくくなるため、国は『災害用伝言ダイヤル(171)』や『災害用伝言板(web171)』を用意しています。使い方を家族で共有し、集合場所も決めておく。毎月1日・15日や防災週間には体験利用ができるので、一度試しておくと安心です。
備蓄がそろっても、家族や仕事相手と連絡が取れないと不安は消えません。そして大きな災害のときほど、電話は混み合ってつながりにくくなります。だからこそ、つながり方は『事前』に決めておくのが肝心です。
国が用意しているのが、災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)です。171は電話で伝言を録音・再生するしくみ、web171はインターネットで文字の伝言を残すしくみ。両者は連携していて、片方で残した伝言をもう片方から確認できます。
大事なのは、『いざその時に初めて使う』を避けること。使い方を家族や近しい仕事仲間と共有し、はぐれた時の集合場所も決めておきます。そして、これらは体験利用ができます。正月三が日、毎月1日と15日、防災週間(8月30日〜9月5日)などに開放されるので、一度みんなで試しておくと、本番で迷いません。
在宅で一人働く人は、家族に加えて『自分に何かあった時、仕事の連絡を誰に回すか』も一言決めておくと、より安心です。連絡は、備えの中でいちばん人の心を支える部分だと思います。
まず今日、何から始めればいい?
今日やるのは一つだけ。『スマホに緊急連絡先を1件登録する』ことです。家族でも、いちばん頼れる相手でも構いません。ロック画面から緊急連絡先を呼び出せるようにしておくと、もしもの時に他の人が連絡を取れます。買い出しも計画も今日はしなくて大丈夫。まずは連絡先を1件、登録するところからです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、今日できる一歩を一つだけ。
『スマホに緊急連絡先を1件登録する』。これだけです。iPhoneなら『ヘルスケア』アプリのメディカルID、Androidなら緊急情報の設定から、ロック画面のままでも呼び出せる緊急連絡先を登録できます。家族でも、いちばん頼れる相手でも構いません。
なぜ最初の一歩がこれなのか。備蓄品は明日でも買えますが、連絡先の登録は今この場で、お金もかけずに終わるからです。そして、もしあなたが外で倒れても、周りの人があなたの大事な相手にすぐ連絡できる。自分と、あなたを心配する人の両方を守る一手です。
登録が済んだら、次の休みにでも、この記事の最低限リスト(水・食料・携帯トイレ・明かり+仕事の3点)を1枚に書き出してみてください。全部を今日やろうとしない。連絡先1件から、あなたの備えは動き始めます。
図解
今日の一歩:緊急連絡先を1件登録
お金も時間もかけず、今この場で終わります。
- 011. アプリを開くiPhoneは『ヘルスケア』のメディカルID、Androidは緊急情報
- 022. 1件だけ登録家族でも、いちばん頼れる相手でも。連絡先を1件入れる
- 033. 次の休みに最低限リスト(4つ+仕事の3点)を1枚に書き出す
③ 道具
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出典
参考にした情報源
この記事の内容は、次の一次情報・公式資料をもとにしています。気になる点はご自身でも確かめられます。
- 中小企業庁(経済産業省)公的機関事業継続力強化計画(中小企業向けの取り組みやすいBCP)
中小・小規模事業者向けの防災・減災の事前対策計画で、安否確認などの初動対応やヒト
chusho.meti.go.jp
著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏
関西の飲食企業で広報・マーケを担当。映像制作・写真・SNS運用・AI活用の実務
中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。
